島崎藤村先生の新墓に詣づ

三好達治

タグを編集・提案

作品の主題・モチーフなど、対象に固有の情報を登録してください。年代・形式・表記・文学運動などの共通分類は登録できません。会員タグの追加と、正式タグの削除は、5人の支持で自動反映されます。

ログインするとタグの追加・削除を提案できます。

しづかなる秋の朝なり 鵯どりら空によびかひ 林より林にわたる しづかなる秋の朝なり 百舌はまたさらに高音を 張りて啼け 世はひそかなり こよろぎの濱のおほ波 ゆるやかにくづるるさへや ここにして聽けばかそけし この庭にいま陽ざしおつ 斑々とかくはさやかに こまやかにあるはゆらぎつ あたらしき世のうたの父 ねむります梅の木のもと おくつきはこのおん父の みこころのままにすがしく つゆじもに濡れてかをれる しら菊の花のいく輪 ほの青き香のけむりの たちまよひなびくのみなる 丘のべの精舍の庭に しかすがにものみな眼ざめ 朝風はかよひそめたり 空青し 海もまたかなたに青し ものの音なべてはるかに ここにして境はきよし なにはなき景はさながら 似たらずやこのうたびとの 七十路の耳はみみしひ 沈默し指をむすびて ものおもひたまふ姿に しづかなる秋の朝なり 「よろづ世の名もなにかせん 寂寞たり身後の事」と いふといへよろしからずや 我はただここにぬかづき 我はただここにもとほる 人の世のなべてさながら よしとしてあげつらふなき 時をひと時――

ログインすると、この作品に自分だけに見えるメモを残せます。

批評・感想 0

作品の表現や構成を検討し、根拠を示しながら評価・講評する場所です。

まだ批評・講評はありません。

島崎藤村先生の新墓に詣づの談話

疑問や連想、ちょっとした読み方などを気軽に話せます。

まだ投稿はありません。

話題を投稿する

島崎藤村先生の新墓に詣づに寄せられた作品

詩から生まれた翻案・イラストや、朗読・解説などの関連リンクを持ち寄れます。

まだ投稿はありません。

この詩に作品を寄せる