新雪
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山山に 雪ふれり
秋ひと夜
山山に 新らしき雪はふりけり
この現つこそかなしけれ
岨みちに
年老いし馬は嘶き
鳥のまねする落葉らは
ななめに溪を下りゆく……
宴にいそぐ風情かな
山峽のこの山の間ゆ
見はるかす
國原遠く
稻の穗はいま熟すらむ 遠ちのしじまや
かぎろへる 遠ちのしじまをとりかこみ
ひとひらの雲もあれざる 鋭き峰に
鋭き峰々に 雪ふれり
雪ふれり 秋一夜
一夜へて 新らしき雪はかがよふ
信濃路や
みすず刈り刈る 鎌の音に
鶫どりはたとたちたり
木の間がくれをゆきゆきて
旅人なれば 石の上に
我れは憩ひぬ
うつつなき旅の心は
あなあはれ いづこにかなづさふべしや
うつつなる天地のうち
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