忘春

室生犀星

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いつの日に忘れしものならん 納戸の小暗きを掃きたりしに 三株ばかりの球根の種、 隅よりころがり出でて もはや象牙のごとき芽を吹きけり。 芽にちからあり 指触れば水気ふくみゐて光る、 余りにしほらしく 土にうづめぬ。

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