どうどう𢌞り
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その女は何處の誰であつたかも忘れた
よい瞳つきで
扉にもたれてしげしげと見詰めてゐた
暗いところで花のやうに匂つてゐた
道はぬかつてゐた
わたしはそこをやたらに歩いて
その家をぐるぐる𢌞つてゐるうち
自分の家のまへへ出た
家では妻が縫ものをしてゐた
その女は何處の誰であるかもしれない
よい手足ですらりとあるいてゐた
その女のことにあたまをとられて
ぼんやり歩いてゐるうち
坂があり木があり
子供があそんだりしてゐる道へでた
そこから自分の家の前へ出た
家では妻が縫物をしてゐた
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