自分もその時は感涙した

室生犀星

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巡査は酔つぱらひを靴で蹶り飛ばした 酔つぱらひの頭から血がながれた これでよい かうして居かなければ性が懲りない かう言つて荒縄でぐるぐると括り上げた 縄はからだへ食ひ込んだ あたりにゐる人人は よい気味だと言つてゐる 酔つぱらひはへし潰れたやうになつて もう抵抗力が無くなつてゐた 酔が醒めてだんだん青くなつてゐた その目から大きな涙が流れてゐた

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