自分の室

室生犀星

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僕は畑をふんで街へ出る 畑をふんで自分の室へかへる 畑は毎日どんどん肥える いつ見ても土のいろは堪らなく健康だ 晩は晩で大きな温かい生きもののやう ぽおつとして息をしてゐるやう ああ いいなと思ふ 半日も街へ出てゐると 堪らなく自分の室が恋しく すぐに帰へりたくなる 畑をふんでどんどんかへる 自分の室でなければ魂は休息しない 自分の室でなければ疲れがなほらない 自分の室ほどいいとこはない ありがたい自分の室 美しく飾られ 魂の住家となるべき 自分の室へ飛び込む そして仕事をする そして喜んでゐる この心持を寸分隙を見せずに ぴつたりと抱き締めて

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