桃の木

室生犀星

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小学校のまはりには桃咲きけり。 はしき子ら出で来りつ 桃下あかきに染まり みな笛のごとくうたへり。 いつの日、わが子の この桃の木のもとを歩まん。 ちひさき靴をはき いつこの土の上に下り立たんものぞ。 埃のうち美しき織りもののやうに 子らは午後過ぎをかへりゆく みな桃の木を仰ぎたれど 手折らんとするものもなき みな修身の心のをさめ。

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