錆
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みんな別れた
別れてしまへば何んでもない
青い苔のあるベンチの上で
かう話しながら二人はわかれた
そこから段段があつて
道路は一すぢになつて彼らは又出くはした
別れてしまへば何んでもない
二人は同時にさう考へて
ちよいと微笑ひ合つて
寒さうに立ち停まるのもいやだつた
で、そつけなく別れた
一人づつになつても
べつに寂しくもなかつたのだ
で、かれらはまつすぐに家へかへつた
ひとりは電車で
ひとりは徒歩で
べつべつな町をあるいて行つた
ふしぎなことには二人ともふきげんになり
たよりなささうな
ぐつたりと電車に首垂れてゐた
も一人は歩きながら
荒れた町をながめながら
うそさむい顏をしてゐた
どちらも會ふことがなかつた
どちらも心では別れて了へば何んでもない
と考へてゐた
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