障子の内

室生犀星

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書物をよんでゐると けさの障子の明るさがいつもとは異つてゐる 靜かで温かで 日に蒸された地面がぼんやり匂つてくる 机にむかつてゐる片頬がいきる 障子をへだてて ほんのりと櫻色がさしてくるのである そのうへ室はいつまでも誰もこないから あし音一つない

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