馬守真

室生犀星

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古き支那の世に 馬守真といへる金陵の妓ありき。 蘭をゑがくにこまかき筆をもち 客にそがひせるいとまいとまには 心しづかに蘭画を描きつつ うすき女らしき優墨にふけりしと云ふ その葉を書き表はしたるものの やさしく艶めき 品ある匂ひこぼるるごとし。 さればさびしき折折の えもいはれず坐りてながむるなり。

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