(七銭でバットを買つて)

中原中也

タグを編集・提案

作品の主題・モチーフなど、対象に固有の情報を登録してください。年代・形式・表記・文学運動などの共通分類は登録できません。会員タグの追加と、正式タグの削除は、5人の支持で自動反映されます。

ログインするとタグの追加・削除を提案できます。

七銭でバットを買つて、 一銭でマッチを買つて、 ――ウレシイネ、 僕は次の峠を越えるまでに、 バットは一と箱で足りると思つた。 山の中は暗くつて、 顔には蜘蛛の巣が一杯かかつた。 小さな月が出てゐるにはゐたが、 それでも木の繁つた所は暗かつた。 ア、バアバアバアバ、 僕は赤ン坊の時したことを繰返した。 誰も通るものはなかつた。 暫くゆくと自転車を坂の下に落として、 自分一人は草を掴めば上れるが、自転車を置いとくわけにもいかず といふ災難者にあつた。 自転車に紐か何か付いてるでせう、と僕は云つた。 へい、――それには全く気が付きませんでした、 自転車は月の光を浴びながら、 ガタ/\といつて引揚げられた。 ――いつたい何処までゆきなさる、 ――いえ、兄の嫁の危篤を知らせに、此の下の村まで一寸。 自転車の前の、ランプが灯つた。――おとなしさうな男である。 僕は煙草に火を点けて、去りゆく光を眺めてゐた。 アババババ、アババババ、

ログインすると、この作品に自分だけに見えるメモを残せます。

批評・感想 0

作品から読み取ったことや、自分の中に生まれた感覚をまとまった文章で残す場所です。

まだ解釈・感想はありません。

(七銭でバットを買つて)の談話

疑問や連想、ちょっとした読み方などを気軽に話せます。

まだ投稿はありません。

話題を投稿する

(七銭でバットを買つて)に寄せられた作品

詩から生まれた翻案・イラストや、朗読・解説などの関連リンクを持ち寄れます。

まだ投稿はありません。

この詩に作品を寄せる