深更の庭で

西谷勢之介

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はるばると空を見あげて 夜のしとやかな意音をきいてゐると 秋も深まつたなとつくづく思ふ。 梢をわたる風も銀河をめぐつて來たせいか しんみりと幽寂をはらんで ほんの少しの感觸にも木の葉が 未練もなく樹肌をはらはらと打つ。 「おゝこんなところに咲いてゐる」- 私の手はふるへて、 ばさ〓〓に枯れた葉むらの中の 萎びた小輪の朝顏にふれて そつと熱病のやうな眸をうつろのやうにそそぐ。 はるばると空は澄みわたり 星々が徐ろに更けて行くと 萎びた朝顏の花びらは冴え〓〓と濡れて ほのじろい地の闇に息づいてゐる。 -一一、一〇、三一-

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