箱芝居
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なんといふ面白い世の中だ
みたまへ
ぎつくり。……ばつたり。
ぎつくり。……ばつたり。
×
たくさんの人形が右足をあげ
左足をあげ
まことに、まことに
巧に歩いてゐるではないか
×
みたまへ
ずつと向ふから
白い葬送馬車が
まつしぐらに街をやつてくる
あの馬車の中には
蝶つがひのはづれた人形が
しづかに/\
ねんねをして居るのです
×
ああ。街に玩具の月が出ると
燐寸箱を出たり入つたり
人形どもはキーキー
わけのわからぬ咽喉笛を鳴らす
×
あれ
塗りのはげた女の人形は
念入りにこてこてご粉を塗りつけ
ぎつくり。……ばつたり
ぎつくり。……ばつたり
右足をあげ左足をあげ
×
ああ悩ましい箱芝居である
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