三本足の人間
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だらり
乾物の棒だ。
後光のさす松葉杖の間に
不気味にふられてゐる
ふられてゐる
その動きはさみしいが
着物ばかりはにぎやかな
襤褸である
み給へ
そのひとつひとつの襤褸に
さまざまの変つた色が
ひかつてゐるではないか
ああ……なんといふ
情ぶかいありがたい
お天道さまよ
青い三角と
赤い四角と
黒い丸と灰色の菱形と
めちやくちやに
密着きあつたりはなれたり
ぶんぶん廻つたりとまつたり
めまぐるしい奇妙な
街の建て物だらう
さあさあ静かに歩むがいい
吐息を数へながら
さあさあおとなしく眠るがいい
冷たいまちの夜露に
おまいの全く死んだ棒も
半殺しの棒も
一寸もうごかなくなり
そして眼の玉がこはばつたら
べたりとそこに坐るがいい
お前の体が
ペチャンコになつたころ
其処には血のやうな
ベンベン草が生えるだらう
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