雪の夕餉

小熊秀雄

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背後から紫色にまた いくつもの紅の輪を重ねた風が 小児のやうに馳ける。 黄昏どきの雪の街 ほのぼのと魚の片腹身を焼く 夕餉の匂ひが煙つて来た。 私の病患は実に淑やかに 北方の白い沼地に沈むやうだ 失はれてゆく色濃い雪のやうに 厚い毛皮の重たさに張りつけられ。 夜の暗がりは真先に私を射て 激しい青ざめた獣の 枯れた樹間の寝床は 淋しい霜に閉ぢこめられる

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