ふくらんだ宝玉

大手拓次

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ある夕方、一疋のおほきな蝙蝠が、 するどい叫びをだしてかけまはつた。 茶と青磁との空は 大口をあいてののしり、 おもい憎悪をしたたらし、 ふるい樹のうつろのやうに蝙蝠の叫びを抱きかかへた。 わたしは眺めると、 あなたこなたに、ふさふさとした神のしろい髪がたれてゐた。 幻影のやうにふくらんだ宝玉は、 水蛭のやうにうごめいて、 おたがひの身をすりつけた。 ふくらんだ宝玉はおひおひにわたしの脳をかたちづくつた。

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