清婉

佐藤惣之助

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影をふかめ、ふかめ、 颯としたうす青い闇で こんなにも幽かな色艶をした空氣が ひつそりとつめたく流れてゐるだらう 杉から出て、竹の中へくると 又こまやかで、いつそうさやかな晝ではないか どこかに雪いろさへあるだらう その顏が淡紅色をよび戻したではないか しかしかうして見ると、又 その藍と銀と黒づくめのほつそりした姿が 妙に竹の匂ひがするやうな むしろ竹よりも朽ちる百合の匂ひがして 一瞬間だけは 清凄といつたやうな風が吹くやうに思へるよ。

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