過ぎし日

佐藤惣之助

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うつくしかつた情熱の煙ともわかれ もつともわびしい田舍へやつて來たものにとつて 四月のうすい春蘭やまつ白な木の花の ざわざわとして吹きすさぶ色にふれるとき さらにさらにあざやかな淋しさが 夕暮の匂ひとともにしんめりと身にながれる いかなれば今さらに自然界の春の こんなにもすがすがしくはれやかなるぞ その眼その身にも似る事なく 日日に遠のく美しいいろいろの思ひを いきいきととびちらしてしまつて。

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