蘇生の思ひ

千家元麿

タグを編集・提案

作品の主題・モチーフなど、対象に固有の情報を登録してください。年代・形式・表記・文学運動などの共通分類は登録できません。会員タグの追加と、正式タグの削除は、5人の支持で自動反映されます。

ログインするとタグの追加・削除を提案できます。

冬になるとよくこんな晩がある。 空が曇つて何となく悲しい壓迫を人が感じる 凡てのものが火が消えた樣にしづまり 遠く潮の引いたやうな空の感じがする。 自然が何か計畫をして居る爲めに遠くの方へ そこへ力が皆んな行つてしまつたやうな氣がする 用も無いのに町へ出て見てもどこにも活氣が無い 家々は白く氣味の惡い氣の拔けた恰好をして居る。 どこか遠くの方で道路を工事する 大勢の人間の掛聲が聞えるそれにも力が無い どうする事も出來ない寂寞を感じる。 家へ歸ると出し拔けに友達がたづねて來る。 何かもの足りなかつたのはこの友を待つて居たのだと思はせるやうに 然し一寸驚く。やつとわかる。 友も誰か來るのを待ちくたびれて出て來たと云ふ風だ。 淋しい泣きつくやうな氣難しい憂鬱な顏をして居る。 かゝる時の嬉しさ、蘇生した思ひがする 自分達は外の事を忘れてしまつた 打ちくつろいで熱心に文學を話す。心の中には火花の散る思ひ。 かくて友を送つて外へ出て見ると 天氣はすつかり變つて雲の間から星が見える 何を自然は企んでゐたのか 自分達は明日の天氣を告げ合つて 別れて歸る。 (一九一六、九、二一日)

ログインすると、この作品に自分だけに見えるメモを残せます。

批評・感想 0

作品の表現や構成を検討し、根拠を示しながら評価・講評する場所です。

まだ批評・講評はありません。

蘇生の思ひの談話

疑問や連想、ちょっとした読み方などを気軽に話せます。

まだ投稿はありません。

話題を投稿する

蘇生の思ひに寄せられた作品

詩から生まれた翻案・イラストや、朗読・解説などの関連リンクを持ち寄れます。

まだ投稿はありません。

この詩に作品を寄せる