罪なれば物のあはれを

島崎藤村

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罪なれば物のあはれを こゝろなき身にも知るなり 罪なれば酒をふくみて 夢に醉ひ夢に泣くなり 罪なれば親をも捨てて 世の鞭を忍び負ふなり 罪なれば宿を逐はれて 花園に別れ行くなり 罪なれば刃に伏して 紅き血に流れ去るなり 罪なれば手に手をとりて 死の門にかけり入るなり 罪なれば滅び碎けて 常闇の地獄のなやみ 嗚呼二人抱きこがれつ 戀の火にもゆるたましひ

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