罪人と名にも呼ばれむ
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罪人と名にも呼ばれむ
罪人と名にも呼ばれむ
歸らじとかねて思へば
嗚呼涙さらば故郷
駒とめて路の樹蔭に
あまたたびかへりみすれば
輝きて立てる白壁
さやかにも見えにけるかな
鬣は風に吹かれて
吾駒の歩みも遲し
愁ひつゝ蹄をあげて
雲遠き都にむかふ
戰ひの世にしあなれば
野の草の露と知れれど
吾父の射る矢に立ちて
消えむとは思ひかけずよ
捨てよとや紙にもあらず
吾心燒くよしもなし
捨てよとや筆にもあらず
吾心折るよしもなし
そのねがひ親や古りたる
このおもひ子や新しき
つくづくと父を思へば
吾袖は紅き血となる
靜息なく激つ胸には
柵もなにかとゞめむ
洪水の溢るゝごとく
海にまで入らではやまじ
はらからやさらば故郷
去ねよ去ねよ去ねよ吾駒
諸共に暗く寂しく
故の園を捨てて行かまし
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