戀の矢

薄田泣菫

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祈年祭のさむき夕、 羽ある神の子狙ひ得しや、 戀の矢心臟に傷を穿ち、 疼みにこらへで吾ぞ病める。 弱胸わづらふ、何によりて 暫の間なりとも休らふべき。 かなしき調を口に誦して、 みづから慰むつらきものぞ。 懸想と詩歌とさかづきとを、 いづれは劣らぬ若人への 天つ御饗とは誰かいふや。 苺は熟して市に入れど、 吟身いまなほ愁帶びて わが詩は宴會の興にのらず。

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