夏の朝(『白羊宮』収録)

薄田泣菫

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かた岡に、 日は照りぬ、 男木の枝に、 鳥うたひ、 いさら水、 笑みまけて、 面はゆに、 野こそ滑れ。 朝踏ます 風の裳に、 草かた葉 さゆらぎて、 しづれ散る 露や、げに 玉ゆらの 瓊音すらめ。 雲は、いま しろたへの 羽を伸しぬ、 朝發き、 海原に、 帆をあぐる 蜑舟の 心みえや。 郎女の しろ裝ひ、 あな『朝』か、 童げに かた笑みて、 つと消えつ、 『日』はすでに、 牧に立ちぬ。

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