日ざかり(『白羊宮』収録)
本文の表示
季は夏なか、
日ぞ眞晝、
日ざしは麥の
穗にしらみ、
野なかの路に
またたきて、
濁酒の如、
湧きたちぬ。
牧の小野には、
並木立、
腕だるげに
葉を垂れつ。
青ぶくれなる
水錆沼は、
めまぐるしさに、
息だえぬ。
雲のひとひら、
たよたよと
噞喁ひゆきて、
ありなしに、
やがては消えつ。
濃青なる
空や、虚なる
墓ならし。
水の面の水澁
氣をぬるみ、
蠑螈は𣵀に
くぐり入り、
爐土の香に
息むせて、
蛇はひそみぬ、
葉がくれに。
なべての上に
高照す
嚴の嘖や、
あな寂し、
悔なき魂の
けだかさは、
げに水無月の
日ならまし。
ログインすると、お気に入り登録や選集への追加ができます。
ログインすると、この作品に自分だけに見えるメモを残せます。
日ざかりの談話
疑問や連想、ちょっとした読み方などを気軽に話せます。
まだ投稿はありません。
日ざかりに寄せられた作品
詩から生まれた翻案・イラストや、朗読・解説などの関連リンクを持ち寄れます。
まだ投稿はありません。
批評・感想 0
作品から読み取ったことや、自分の中に生まれた感覚をまとまった文章で残す場所です。
まだ解釈・感想はありません。
ログインすると解釈・感想を書けます。