野菊の歌へる

薄田泣菫

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咲きいでて今日しも七日、 野茨の莿にしまじる うまれ拙な。 つまどひの京をんな鷸、 黄脚踏む下にも折れて、 莖葉かがむ。 神無月、入日の淡さ、 しくしくと光はにじむ、 臂の痛み。 彼處、いま花はひからび、 香は朽ちて、老がれ鳴るや、 河原よもぎ。 ここに、また根は覆へり、 亂り尾の苦參こそ寢れ、 腕だるに。 草絡み、落葉の反に、 熟白英、――ぬる火の雫、―― 實こそつゆれ。 今はとて、占野の歌女 蟋蟀は、絃をゆるめて 入るや、培土。 寂しさは墓のふかみに、 あな聞きぬ、『宿世』の脚の 忍びありき。 歸依の根を延けばや下に、 戰慄の今はも、阿摩へ かへる心地。

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