猿の腰かけ
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山の朽木に焦色の
菌が一つ生えたのを、
兎はゆふべここに來た
鬼が落した角といひ、
狸はお山の山姥が
魔法使ひの手だといふ。
そこで二人が連れだつて、
お山の猿を訪ねたら、
知つたかぶりの猿公は、
それは角でも手でもない、
お慈悲の深い神樣が、
お猿に呉れた床几だと、
言ひまぎらした口まめに、
狸も兎も合點して、
山の菌はその日から、
ずるいお猿の腰かけと、
いつの代までもなつたとさ。
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