知らぬかなた

薄田泣菫

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一 小野の苅生の葉がくれに、 乾田の穭のしたぶしに、 鶉は夢をはぐくみぬ。 さこそは似しか、そのかみの たもとほりにし日の戀は。 二 紅顏孃子のましら手に、 ゐよりし宵は、くちづけの 香をしも愛でき。さあれなほ 魂はしのびに吐息して、 知らぬかなたにあくがれき。 三 今宵かすけき囁きに、 ふと聞き惚れて涙ぐむ 心は知らじ、甞てだに。 そことしも無きかなたこそ、 また追懷のそのかみに、――

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