海のおもひで(『白羊宮』収録)

薄田泣菫

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一 夕浪倦みぬ、――さこそ吾。 眞白羽ゆらに飄へりし 鴎は水脈に、――さこそ、わが 魂よたゆたに漂へれ。 二 嘆きぬ、葦はうら枯の 上葉たゆげに顫なきて。 昨日は、ともに葦かびの 若き日をこそ歌ひしか。 三 あな火ぞ點る、夕づゝの 葦間にひたる影青に。 消ゆとは知れど、さこそ、われ 人のまみをば思ひづれ。

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