帰る旅

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帰れるから 旅は楽しいのであり 旅の寂しさを楽しめるのも わが家にいつかは戻れるからである だから駅前のしょっからいラーメンがうまかったり どこにもあるコケシの店をのぞいて おみやげを探したりする この旅は 自然へ帰る旅である 帰るところのある旅だから 楽しくなくてはならないのだ もうじき土に戻れるのだ おみやげを買わなくていいか 埴輪や明器のような副葬品を 大地へ帰る死を悲しんではいけない 肉体とともに精神も わが家へ帰れるのである ともすれば悲しみがちだった精神も おだやかに地下で眠れるのである ときにセミの幼虫に眠りを破られても 地上のそのはかない生命を思えば許せるのである 古人は人生をうたかたのごとしと言った 川を行く舟がえがくみなわを 人生と見た昔の歌人もいた はかなさを彼らは悲しみながら 口に出して言う以上同時にそれを楽しんだに違いない 私もこういう詩を書いて はかない旅を楽しみたいのである

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