日曜

上田敏

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ハムレツト――そちに娘があるか。 ポロウニヤス――はい、御座りまする。 ハムレツト――あまり外へ出すなよ。腹のあるのは結構だが、そちの娘の腹に何か出來ると大變だからな。 しとしとと、無意味に雨が降る、雨が降る、 雨が降るぞや、川面に、羊の番の小娘よ…… どんたくの休日のけしき川に浮び、 上にも下にも、どこみても、艀も小船も出て居ない。 夕がたのつとめの鐘が市で鳴る。 人氣の絶えたかしっぷち、薄ら寂しい河岸っぷち。 いづこの塾の女生徒か(おお、いたはしや) 大抵はもう、冬支度、マフを抱へて有つてるに、 唯ひとり、毛の襟卷もマフも無く 鼠の服でしよんぼりと足を引摺るいぢらしさ。 おやおや、列を離れたぞ、變だな。 それ驅出した、これ、これ、ど、ど、どうしたんだ。 身を投げた、身を投げた。大變、大變、 ああ船が無い、しまつた、救助犬も居ないのか。 日が暮れる、向の揚場に火がついた。 悲しい悲しい火がついた。(尤もよくある書割さ!) じめじめと川もびっしより濡れるほど しとしとと、譯もなく、無意味の雨が降る、雨が降る。

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