珊瑚礁
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波の底にも照る日影、神寂びにたる曙の
照しの光、亞比西尼亞、珊瑚の森にほの紅く、
ぬれにぞぬれし深海の谷隈の奧に透入れば、
輝きにほふ蟲のから、命にみつる珠の華。
沃度に、鹽に、さ丹づらふ海の寶のもろもろは
濡髮長き海藻や、珊瑚、海膽、苔までも、
臙脂紫あかあかと、華奢のきはみの繪模樣に、
薄色ねびしみどり石、蝕む底ぞ被ひたる。
鱗の光のきらめきに白琺瑯を曇らせて、
枝より枝を横ざまに、何を尋ぬる一大魚、
光透入る水かげに慵げなりや、もとほりぬ。
忽ち紅火飄へる思の色の鰭ふるひ、
藍を湛へし靜寂の、かげほのぐらき青海波、
水搖りうごく搖曳は、黄金、眞珠、青玉の色。
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