思想
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驕慢の都、その宿命に驅らるる上を、
眼にはみえねども儼然として、
悲よりも高く、悦よりも高く、
生生として思想は領す。
沈靜なる勢力と熱意との世のはじめ、
精神の炬火もえいでしよりこのかた、
人間の頭腦に入りまじりて、
黄金の迷宮に
これを包みしは思想、
光芒これが爲に更にまさりぬ。
かくて思想の力ますます強く、
人間の恐怖と熱望と批判とを統治し、
心情と生氣とを動かし、
有情と非情とを眺めて、
宛もその常に閉さざる眶の下、
無限の眼は開きたるに似たり。
かくて思想は廣大の物界に震動して、
大方の世界に火焔の環をめぐらせり、
いづれかはじめの光なるを知らず。
されど天空に常見ゆるその金光を仰ぎみれば、
人は自己の光よりこれらを生みし事を忘れ、
さすがにこれらの光華に醉ひて、一日、神を造りぬ。
けふもなほこの光、久遠に亘る如し、
されど之を養ふに力と美とを缺きたり、
常に靜まらず、とこしへに新なる
現實の血なくんば久しくは保たじ、
われら今常に之を濺ぐ。
一世の思想家は其心ますます明にして精なる可し。
生命の高貴なる工人として、
額は輝き心は跳り、
新しき光もて忽ち頭腦を照せる、
光明をこそ驅使すべく、
征服の途にその歩調ますます勇ましく、
悠久たる覆載の下、人こそは至上なれと
自らの高貴なるに感ずるならむ。
廣遠にして豐富なる哉、めもはるに、
華さきわたる大思想よ。
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