出征
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高山の鳥栖巣だちし兄鷹のごと、
身こそたゆまね、憂愁に思は倦じ、
モゲルがた、パロスの港、船出して、
雄誥ぶ夢ぞ逞ましき、あはれ、丈夫。
チパンゴに在りと傳ふる鑛山の
紫摩黄金やわが物と遠く求むる
船の帆も撓わりにけりな、時津風、
西の世界の不思議なる遠荒磯に。
ゆふべゆふべは壯大の旦を夢み、
しらぬ火や、熱帶海のかぢまくら、
こがね幻通ふらむ。またある時は
白妙の帆船の舳さき、たゝずみて、
振放みれば、雲の果、見知らぬ空や、
蒼海の底よりのぼる、けふも新星。
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