夢
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夢のうちに、農人曰く、なが糧をみづから作れ、
けふよりは、なを養はじ、土を墾り種を蒔けよと。
機織はわれに語りぬ、なが衣をみづから織れと。
石造われに語りぬ、いざ鏝をみづから執れと。
かくて孤り人間の群やらはれて解くに由なき
この咒詛、身にひき纏ふ苦しさに、みそら仰ぎて、
いと深き憐愍垂れさせ給へよと、祷りをろがむ
眼前、ゆくての途のたゞなかを獅子はふたぎぬ。
ほのぼのとあけゆく光、疑ひて眼ひらけば、
雄々しかる田つくり男、梯立に口笛鳴らし、
繒具の蹋木もとどろ、小山田に種ぞ蒔きたる。
世の幸を今はた識りぬ、人の住むこの現世に、
誰かまた思ひあがりて、同胞を凌ぎえせむや。
其日より吾はなべての世の人を愛しそめけり。
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