コスモスの秋
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雲谷派の條線に
紫の葉ツぱを尖らせ
私の菜園を貧困する婆茄子よ
お前がぶらさげてゐる腸詰は
鐵漿を脂粉して
中風病みの拇指をひん歪める
笑ふ聲
話す聲
話す聲
笑ふ聲
山上のから松と、 とゞ松とが
麗原山に赤い沈默を透明する
森の中を移行しつゝ
笑聲と、 話聲は
元冦記念塔の下に登場した
若い女のプロフイルが掬ひ上げてゐる
紺サアジと、 ソフトの肩に
派手な女の胸像が上から傾きかゝる
茶布臺の上の頰杖の中から
私の半眼が覺醒する
幸福が步いてゐるのだ
垣外の秋色に黄髪を燃やす穗すゝき
松柏の靑いキヤンバスに
白い蝶、 赤い蝶が
失はれたコスモスの夢を篩ふ
水晶の廓柱をめぐらした透明穹の內に
角笛をとり落した風よ
お前が紡績する燦々たる煌耀の中に
肘杖に支へられた私の放心は
見失つた私の幸福を秋郊におつかける
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