編棒

山之口貘

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近所で噂の例のふたりが そこにいてバスを待っているのだ 和製の女にしては大柄の女で 舶来の男にしてはまたこれが まことに小柄の男なのだ ふたりは向き合って立っているのだが 女はガムをかみかみ 編物に手をうごかしているところで 男はそれを見い見い ガムをかんでいるところなのだ しかしなかなか バスは来なかった そのうちに編棒の一本が落っこちて ふたりは顔を見合わせたのだが 大柄の和製がその足もとを指さしたので 小柄の舶来は背をこごめたのだ。

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