竹林とその点景

山之口貘

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竹林をひと廻り廻って見て 買い手の男はこう言った 一把が二十両 百把とみつもって二千両だと そこで話はすぐにきまった 老婆はその手に初めての重いお金を受取った 八十二さいになったという 老婆の顔色をひと廻り あととりむすこが見て言った うっかり死ねない世の中なんだぞ 棺桶ひとつが千両もするんだと言った そこで話はすぐにまとまって お金は葬式代に化けるため 老婆の手からあととりむすこの手に落ちた 竹林はたちまち まばらになって 筑波山が見えると老婆がつぶやいた

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