玄関
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呼び鈴の音にうなされて
あわてて玄関に出てみると
あるばいとなんですがと云うわけなのだ
まあ間に合っていますと断わると
ひとつでもいいんですが
買って下さいなのだ
またにして下さいと尻込みすると
見るだけだって
見て下さいなのだが
お金がないのでは見るのもいやなので
首を横にうち振ったのだ
かれは風呂敷包を小脇にかかえなおして
玄関を見廻していたのだが
こんな桧づくりの大きな家に住んでいて
ひとつぽっちも買わないなんて法が
あるもんですかと吐き出したのだ
いかにもぼくの家みたいで
まるでもっての外みたいだ
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