花曇り

山之口貘

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つまりこれが 五十肩とかで 男の更年期障害だと云うのだ なにしろ両肩の関節が痛み 服を着るにも一々 女房やこどもの手を借りるのだ まったくこの手の 不自由なこと 電車に乗っても吊革に この手がのびない始末なのだ それでその日も腰をかけるために 満員の電車を見送ったあとなのだ ホームの端に突っ立って 五十肩になりすましていたところ ふと柵外に眼をやると そこの路地裏に猫が群れているのだ けんかにしてはひっそりしすぎるので 猫らしくもないとおもったのだが 四組になってそろいもそろった 若い猫達の あべっくなのだ

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