生きる先々

山之口貘

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僕には是非とも詩が要るのだ かなしくなっても詩が要るし さびしいときなど詩がないと よけいにさびしくなるばかりだ 僕はいつでも詩が要るのだ ひもじいときにも詩を書いたし 結婚したかったあのときにも 結婚したいという詩があった 結婚してからもいくつかの結婚に関する詩が出来た おもえばこれも詩人の生活だ ぼくの生きる先々には 詩の要るようなことばっかりで 女房までがそこにいて すっかり詩の味おぼえたのか このごろは酸っぱいものなどをこのんでたべたりして 僕にひとつの詩をねだるのだ 子供が出来たらまたひとつ 子供の出来た詩をひとつ

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