十二月のある夜

山之口貘

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十二月のある夜 金のことで ホテルのマダムを詩人が訪ねた マダムはそっぽを向いて言った お金のことなんて 詩人らしくもないことです 俗人の口にするみたいなことを 詩人がおっしゃるもんじゃないですよ お金に用のないのが詩人なんで 詩人は貧乏であってこそ 光を放ち尊敬もされるんです 詩人はそこでかっとなり 借りに来たことも忘れてしまって また一段と光を添えていた

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