深夜

山之口貘

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これをたのむと言いながら 風呂敷包にくるんで来たものを そこにころがせてみせると 質屋はかぶりを横に振ったのだ なんとかならぬかとたのんでみるのだが 質屋はかぶりをまた振って おあずかりいたしかねるとのことなのだ なんとかならぬものかと更にたのんでみると 質屋はかぶりを振り振りして いきものなんてのはどうにも おあずかりいたしかねると言うのだ 死んではこまるので お願いに来たのだと言うと 質屋はまたまたかぶりを振って いきものなんぞおあずかりしたのでは 餌代にかかって 商売にならぬと来たのだ そこでどうやらぼくの眼がさめた 明りをつけると いましがたそこに 風呂敷包からころがり出たばかり 娘に女房が 寝ころんでいるのだ

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