萎びた約束
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結婚したばかりの若夫婦の家なので
お気の毒とはおもいながらも
二カ月ほどのあいだをと
むりにたのんでぼくの一家を
この家の六畳の間においてもらったのだ
若夫婦のところにはまもなくのこと
女の子が生れたので
ぼくのところではほっとしたのだ
つぎに男の子が生れて
ぼくのところではまたほっとしたのだ
現在になってはそのつぎのが
まさに生れようとしているので
ぼくのところではそのうちに
またまたほっとすることになるわけなのだ
それにしてもなんと
あいだのながい二カ月なのだ
すでに五年もこの家のお世話になって
萎びた約束を六畳の間に見ていると
このまま更にあとなんねんを
ぷらすのお世話になることによって
いこおる二カ月ほどになるつもりなのかと
ぼくのところではそのことばかりを
考えないでは一日もいられないのだが
いつ引越しをするのかとおもうと
お金のかかる空想になってしまって
引越してみないことには解けないのだ。
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