立ち往生

山之口貘

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眠れないのである 土の上に胡坐をかいてゐるのである 地球の表面で尖つてゐるものはひとり僕なのである いくらなんでも人はかうしてひとりつきりでゐると 自分の股影に ほんのりと明るむ喬木のやうなものをかんじるのである そこにほのぼのと生き力が燃え立つてくるのである 生き力が燃え立つので 力のやり場がせつになつかしくなるのである 女よ そんなにまじめな顏をするなと言ひたくなるのである 闇のなかにかぶりを晒してゐると 健康が重たくなつて 次第に地球を傾けてゐるのをかんじるのである

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