座談

山之口貘

タグを編集・提案

作品の主題・モチーフなど、対象に固有の情報を登録してください。年代・形式・表記・文学運動などの共通分類は登録できません。会員タグの追加と、正式タグの削除は、5人の支持で自動反映されます。

ログインするとタグの追加・削除を提案できます。

1 ある晩 いいえ毎晩 その娘が むかうにゐる男を好いてゐさうな目つきをするので 私はうすぼんやりしてゐるのです 2 むかうの男は俳優ださうです こちらの私は詩人ださうです どちらが娘を愛してゐるか 詩人の私であるといふより外はないのです 俳優は長居してゐるのでみつともないのです 考へてみると詩人も長居してゐるのです どちらが娘を愛し得るかといふことになつたら 私は駈け出して 娘の首すぢを掴んでひつたくるつもりでゐるのです 3 娘は左の目蓋に小さなイボがある お湯の歸りに ふとそのイボに指をふれてみたら血が出てゐたと娘は言ふ それは戀の話である 戀の話はいろいろある ああこの娘よ もしも私の女房になるならば 奧さんではなくておかみさんになるんだらうが それは女房になつてみれば直ぐにわかるのである 馴れてしまふのである 4 きのふの話によると 娘には許婚者があるんださうです それが私でないところを見れば あの俳優がさうなんだらうか ぼんやりしてゐるうちに 私の顎下を 夜はなんどもなんども流れてゐたやうです 5 膝のうへには汚れた履歴書がある 邦子といふのがその娘である 邦子は喫茶店の女給だつたのである その前の 光子は小學校の教師だつたのである その前の 妙子も小學校の教師だつたのである だつたのであるが だつたことばかりが私の眼には浮んでゐる

ログインすると、この作品に自分だけに見えるメモを残せます。

批評・感想 0

作品の表現や構成を検討し、根拠を示しながら評価・講評する場所です。

まだ批評・講評はありません。

座談の談話

疑問や連想、ちょっとした読み方などを気軽に話せます。

まだ投稿はありません。

話題を投稿する

座談に寄せられた作品

詩から生まれた翻案・イラストや、朗読・解説などの関連リンクを持ち寄れます。

まだ投稿はありません。

この詩に作品を寄せる