藤七の硝子

与謝野晶子

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永久に若い天女の、 降りて来たのが藤七の工場。 作られて行く硝子の高坏の 美くしさに、うつとりと、 手を触れた指の跡。 うす紅の指紋を御覧なさい。 上からでも、下からでも、 もともと硝子なのですから。 指紋が残つて居ればとて、 不思議なぞありません。 硝子のまだ半液体である時、 其れが火より熱かつたとて、 天女の指は焼けません。 人の身体の中の心臓の、 かうした場合などにも、 触れて見ない手ではありません。

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