与謝野晶子

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藍鼠をば著た上に、 伊達ものめいた黒を掛け、 党を組んだるひよどりが、 柑橘の畑荒しても、 追はぬ主人は故郷の、 若人達を相手にて、 一葉余さず落葉掃く、 蓬が平の真珠庵。 折しも続く東海の、 錦の雲の真中に、 ネエブル色の日が出れば、 伊太利亜型のひよどりは、 蜜柑の枝に背を反らし、 其処へ行かうと同志等に、 ささやく声もうち消して、 どつと渚の波が寄る。

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