一九一八年よ

与謝野晶子

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暗い、血なまぐさい世界に まばゆい、聖い夜明が近づく。 おお、そなたである、 一千九百十八年よ、 わたしが全身を投げ掛けながら ある限りの熱情と期待を捧げて この諸手をさし伸べるのは。 そなたは、――絶大の救世主よ―― 世界の方向を 幾十万年目に 今はじめて一転させ、 人を野獣から救ひ出して、 我等が直立して歩む所以の使命を 今やうやく覚らしめる。 そなたの齎すものは 太陽よりも、春よりも、 花よりも、――おお人道主義の年よ―― 白金の愛と黄金の叡智である。 狂暴な現在の戦争を 世界の悪の最後とするものは 必定、そなたである。 わたしは三たび そなたに礼拝を捧げる。 人間の善の歴史は そなたの手から書かれるであらう、 なぜなら、――ああ恵まれたる年よ、―― 過去の路は暗く塞がり、 唯だ、そなたの前のみ輝いて居る。

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