自問自答
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「我」とは何か、斯く問へば
物みな急に後込し、
あたりは白く静まりぬ。
いとよし、答ふる声なくば
みづから内に事問はん。
「我」とは何か、斯く問へば
愛、憎、喜、怒と名のりつつ
四人の女あらはれぬ。
また智と信と名のりつつ
二人の男あらはれぬ。
われは其等をうち眺め、
しばらくありてつぶやきぬ。
「心の中のもののけよ、
そは皆われに映りたる
世と他人との姿なり。
知らんとするは、ほだされず
模ねず、雑らず、従はぬ、
初生本来の我なるを、
消えよ」と云へば、諸声に
泣き、憤り、罵りぬ。
今こそわれは冷かに
いとよく我を見得るなれ。
「我」とは何か、答へぬも
まことあはれや、唖にして、
踊を知れる肉なれば。
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