〔無題〕(『晶子詩篇全集拾遺』収録・同題第31篇)

与謝野晶子

タグを編集・提案

作品の主題・モチーフなど、対象に固有の情報を登録してください。年代・形式・表記・文学運動などの共通分類は登録できません。会員タグの追加と、正式タグの削除は、5人の支持で自動反映されます。

ログインするとタグの追加・削除を提案できます。

おのれをば殺せと云はむ、 誰に云はむや 十余年添ひたる人か、 いたりあの笛吹の子か。    ○ 男より退きて 地か空か知らず、走せ過ぎる。 驚くべきを見顕はさずに。    ○ 安らかに眠らむとして帰り来つるや 否々夢を、悪夢をば、 見むとぞ呼ぶ。やがて死ぬらむ。    ○ 恋をする時、死なむとする時 無くもがなの賢き頭よ 烏羽玉の髪覆ひぬれども。    ○ かかる夕に思ふこと、 少しことなるものながら、 哲学と浮きたる恋と何れよからむ。    ○ ひそかにも火の燃ゆる口われのみぞ知る 遠方に居てかの山を見む。    ○ 続けざまに杯あげて酔ひ給へ。 いとほしの君、 みじめなる君、 わが思ふ君。    ○ ここちよきものならまし。 悪の醒むるも善よりするも、 わが目きはめてさはやかならば。    ○ むかしとは若き日のこと、 昔にもまさり恋はると、 云ふことが、心より、 うれしきや、よろこぶや。    ○ 灰色の壁による人。 みづいろの玻璃の板による。 金色の雲による。 自らは男によれる。    ○ 檀那をば彼は忘れず、 肩すぎてブロンドの髪ゆらめきし、 わざをぎ男目に消えぬごと。    ○ 手さぐりに人心よぢてゆく、 女の恋のはかなかりけれ。 かの時より死の友となりけれ。    ○ 眠りたる心をば、呼び起すとて、 線香花火、青なると、 うす紫と、くれなゐと、 ばらばらばつと焚き給ふ君。    ○ 何方に向きて長ぜむ。 かく人は眉をひそめぬ。 わが心今日も昨日も夢のみを見る。    ○ われは思ひき、毒婦ならまし。 ある宵にかたへ聞きせる 不幸なる運命の 性を変へむと、十五より。    ○ ひとびとが憚らず、 声放ち歌ふ時、 君は知れりや、悲しみよりも、 悦びは少しみにくし。

ログインすると、この作品に自分だけに見えるメモを残せます。

批評・感想 0

作品の表現や構成を検討し、根拠を示しながら評価・講評する場所です。

まだ批評・講評はありません。

〔無題〕の談話

疑問や連想、ちょっとした読み方などを気軽に話せます。

まだ投稿はありません。

話題を投稿する

〔無題〕に寄せられた作品

詩から生まれた翻案・イラストや、朗読・解説などの関連リンクを持ち寄れます。

まだ投稿はありません。

この詩に作品を寄せる